Case Studies
Case 01
後継者不在のためM&Aを検討していた製造業(年商5億円)。M&A仲介会社に簡易査定を依頼したところ、過度な節税対策で表面上の利益が出ていなかったため、想定よりも遥かに低い「株価2億円」を提示され、売却を躊躇していた。
CFOとして介入し、財務デューデリジェンスを実施。役員生命保険や私的な交際費、一過性の損失を正確に足し戻し、「本来の実力値(正常収益力)」を算出。さらに、買い手が懸念する不良在庫や未払い残業代のリスクを事前に処理(クリーニング)した上で、再度M&A市場へ打診した。
大手買い手企業に対し、修正EBITDAに基づいたロジックで交渉を展開。リスクが排除されていることも高評価に繋がり、当初提示額の2倍となる「4億円」での株式譲渡が成立。オーナーは十分な創業者利益を確保して引退した。
Case 02
多角化経営を行うグループ企業(年商30億円)。介護・不動産・飲食など事業が多岐にわたり、それぞれの法人で株式が分散。相続が発生した場合、兄弟間での「株式の分散(経営権の争い)」や「相続税負担」が経営リスクになることが懸念されていた。
株式移転による「ホールディングス(持株会社)体制」への移行を実行。各事業会社の株式をHD社に集約し、オーナー一族はHD社の株式のみを保有するシンプルな資本構成へ整理。あわせて、不採算事業の整理(カーブアウト)と、次世代幹部への権限委譲を数値管理の面からサポートした。
資本構成が整理されたことで、相続税対策(株価引き下げ策)が打ちやすくなり、事業承継コストを数千万円単位で圧縮。後継者はHD社の社長としてグループ全体を統括し、各事業会社の社長には若手幹部を抜擢する「集団指導体制」へと円滑に移行した。
Case 03
売上高10億円規模の企業において、代表取締役が急逝。後継者を選抜していなかったため社内は混乱状態に。さらに、代表者個人が連帯保証を入れていた借入金について「期限の利益」が喪失するリスクが生じ、金融機関への緊急対応が必要となった。
取締役の依頼を受け、緊急の経営支援を実行。株式の相続手続きや新代表の選定(後継者指名)を主導すると同時に、金融機関に対して新体制下での事業計画を説明し、融資継続の合意を取り付けた。併せて、動揺する従業員や顧客への説明会を実施し、組織の安定化を図った。
突発的な事業承継危機(有事)を乗り越え、現在は新経営陣による新たな体制で順調に事業を拡大させている。「いつか」ではなく「今日」備えることの重要性を物語る事例。